【コミック3位】『ファインダーの真実』やまねあやの(ビーボーイコミックス)【やばい】

ファインダーの真実 (ビーボーイコミックス)ファインダーの真実 (ビーボーイコミックス)

リブレ出版 2009-06-10
やまねあやの

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フリーカメラマンの秋仁と裏社会の実力者麻見は、秋仁がスクープを追う中で知り合った関係。以来、事件に巻き込まれる秋仁を麻見が助け、捕らえ、捕らえられた秋仁が逃げる、そんな関係。麻見が執着したことで秋仁は香港マフィアの標的となり、香港に攫われてしまう。秋仁を取り戻すため、麻見は香港マフィアのボス飛龍と豪華客船で取引をすることになる。が、そこにカジノの利権を狙うロシアマフィアが絡んできて更に波乱の展開に。
波乱の展開の中身はといえば、秋仁が謎のロシアマフィアに攫われてみたり、ロシアマフィアの片腕が何故か同性愛嫌悪で秋仁を私怨? 混じりでいたぶってみたり、飛龍が実は麻見にご執心だったり秋仁が自力で逃げだろうと頑張ったりとまあ色々。飛龍の腹心の部下が麻見の送り込んだスパイでありながら飛龍にも心酔していてケジメを付けてみたりも。正直、詰め込まれすぎて何が何やら。伏線回収の嵐なので、伏線を知らないことには楽しめるわけもないのですが。特にロシアマフィアの二人が意味不明。
まあとにかく思わせぶりな人物や場面を描くのは上手いんだと思います。どいつもこいつも何考えてるんだか分からないけど。そんな中で、一人振り回されて怯える一般人秋仁はまあ可愛い。ただし、それも監禁された状況でいきなり麻見を思い出して自慰を始めるまでの話ですが。その状況でやることは他に無いのかと。
自分的名台詞は「二人とも、俺をダシにしていがみ合うのはもうやめてくれ!」という秋仁の台詞。マフィアを3つも巻き込んで怪我人も死人も出しておいて、喧嘩はやめて! ってそんなんで収まってしまうのがすごい。ほんとに受けをダシにして喧嘩してただけなのね、という。それぞれのシーンはそれなりに迫力もあり、思いも感じられるのだけれど、それを繋げるとなんだか妙に、滑稽なのですよね。自分がキャラクターに思い入れが無いからかもしれませんが。


もうこれはあれですね。『炎の蜃気楼』が完結したらかつくらのキャラ投がミラージュの一人勝ちになるとかそういう話。完全にご祝儀。(しかもこっちはエピソードが完結しただけで作品自体は完結してない。完結させる気も無いのでしょうが。) 単体ではまったく評価できないし、続き物にしても展開が無茶苦茶すぎてどうかと思います。絵が綺麗な作者ですし、好きな人はいるのでしょうけど。