【小説1位】『遊郭遊戯』水碕夢見・小山田あみ(絵)(プラチナ文庫)【ウサギ】

遊郭遊戯 (プラチナ文庫)
遊郭遊戯 (プラチナ文庫)水碕夢見
小山田あみ

フランス書院 2009-04-10
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おすすめ平均 star
star少し物足りない・・・
starイラストは絶品です

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女性と話せない性格を改善しようと「六本木遊郭」へ出向いた雪夜。そこで誰より優しく話を聞いてくれたのは色男の蓮だった。蓮に撫でてもらいたくて、遊郭へ通う日々。だが、蓮の身請けを思いついた矢先、親友に裏切られ、借金を背負った雪夜は六本木遊郭へ身売りされてしまう。現れた店のオーナーは、蓮だった。「売り物になるように仕込んでやる」と言われたその日から、男娼と客の立場は逆転した。必死で蓮の教育に応える雪夜に、蓮は苛立ちながらも嵌っていく。
遊郭ものですよ遊郭もの。ただし時代物ではなくて、現代よりすこし未来っぽい感じ。「六本木遊郭」も江戸時代の遊郭を模して作られた商業施設という設定。雪夜もIT系ベンチャーの社長という設定。
遊郭もの自体はわりとよくあるし、借金背負った主人公を仕込んでやるよ系もよくあるのですが、物語中盤での立場逆転というのが捻りがきいていると思います。そのおかげで、前半の雪夜が蓮に懐いていく流れと、後半の蓮が雪夜を仕込みながら絆されていく様子が両方上手く書き込まれている。視点は雪夜と蓮を行ったり来たりするのですが、そこでお互いの心情が出るので、調教ものにありがちな攻が突っ走って何を考えているか分からない、というのが無くて安心できる感じ。なんか雪夜も蓮も愛に飢えていて不器用な感じが、よく出ていてなかなかよいです。
というかこんだけエロを詰め込みながらよくまあストーリーを展開したな、と。六本木遊郭の設定や蓮の周囲の人間関係(お兄ちゃんとかお父さんとか)も実は結構作りこまれているんじゃないかと思います。魅力的なキャラクターがちらほらいるので、是非ともシリーズ化してほしいところ。
エロシーンは言葉攻め系で汁気たっぷり。行為に入るといっぱいいっぱいになった雪夜が幼児語になるのもいい感じにエロいです。
お馬鹿とエロス好きの自分としましては、遊郭もの系のお馬鹿らしさとエロスに妙に純情な恋を上手く絡めたところを評価して、1位です。

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遊郭ものつながりで。