【小説4位】『困惑はバニラフレーバー』坂井朱生・桜川園子(絵)(ルチル文庫)【ウサギ】

困惑はバニラフレーバー (幻冬舎ルチル文庫)
困惑はバニラフレーバー (幻冬舎ルチル文庫)桜川 園子

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元銀行員で現在は資産運用で生計を立てている一佳は優しい性格だが恋人の和彦にだけはつい厳しい態度を取ってしまう。和彦は一佳を口説き続け、身体の関係を持ってからも大切にしてくれるが、一佳の想いには気づいてくれない。そんな中、一佳の大学時代の知り合いが連絡を取ってきて……。
いわゆるツンデレですね。恋人が帰ってくる時間には仕事を終わらせ、好きなコーヒー豆を用意し、と健気に尽くすのに、口では素直になれないツンデレ。そんな恋人を溺愛し、甘やかす攻…というのならよくあるネタですが、そこに恋人の気持ちに関してだけは妙にネガティブになってしまう男・和彦を持ってきたのが絶妙。恋人を溺愛し、態度で示し、自分に自信もあるのに、一佳の気持ちにだけは「どうせ好きなのは俺の方だけ」と予防線を張ってしまう和彦。……まあ、実際にいたらちょっとウザいですが。一佳の方も、和彦の態度を寂しく思うものの、素直になれない自分の態度が悪いと分かっているので和彦を責めることもできず、かといって生まれ持っての性格で素直にもなれず。まあ、基本的にそうやってぐるぐるしてるだけの話です。いい大人が、恋に不器用にぐるぐるしているのを眺めてニヨニヨするだけ。最後に和彦が自分のコンプレックスである独占欲丸出しで腹黒な性格を晒して、でも一佳はそんな姿にさえ見惚れてしまうという。ニヨニヨが止まらない。素直になれよっ!と叫びたくもなるのですが、素直になれない性格もきっちり伝わってくるのでイライラするというよりはハラハラしてしまう。見守ってあげたくなってしまう。
なんかこの作者さんはウザい男を書くのが上手いんだろうなー、と思います。一佳も和彦も、ついでに当て馬男の西岡も、ほんっとーにウザい。でも好きな相手ならば、そこさえも愛しい。でも不安。そんなぐるぐるとした気持ちを必要以上に丹念に描いた作品だと思うです。まさにバニラフレーバー。最後に一佳が「自分だってこんなに好きなのに!」とぶちまけるシーンに至ってはちょっと甘すぎて読み飛ばしてしまおうかと思うくらい(苦笑) 今年読んだ中では一番の甘々だったと思います。

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