【コミック3位】『草の冠 星の冠 5』テクノサマタ(バーズコミックス ルチルコレクション)【アリス】
草の冠星の冠 5 (バーズコミックス ルチルコレクション) | |
幻冬舎コミックス 2009-09-24 売り上げランキング : おすすめ平均 恒久夏国シリーズの最終話 待った甲斐がありました Amazonで詳しく見る by G-Tools |
テクノサマタの遅筆はこの話が3年かけてようやく終わったのでよく解る。圧縮してしまえばほんの100文字で終わりそうなあらすじを、ちいさく細かく丁寧に、空気感を持って描くのがテクノサマタのいいところだ(と想っている)。ひらがなで特徴的なモノローグ。ひとつの表情を丁寧に書いたコマ。などなど。
このシリーズは季節や花の精がモチーフとなっている。見える人にしか見えない彼らは、植物の精であればその植物からあまり離れられないし、季節であったらその「季節」にしか彼らはやってこない。3巻から延々と書かれてきたのは、「夏」である夏月と、彼が生きていたとき(どうも季節の妖精さんは人間ぢゃないらしいです)に「酷い目」にあわせたヒバナという男の子、彼が部屋で育てている観葉植物の女の子の話。夏月とヒバナの恋愛と、駆け落ちと、それにまつわるふたりの罪悪が。ヒバナは「どうせ親にばれるのだからずっと一緒にいられない」と、夏月が唇をふるわせて言葉を飲み込むのを見て見ぬふりをしたという。夏月は一緒にいられない戻れないから、ヒバナの目の前で自殺した、そのを償いたいと想っていた。記憶喪失というヒバナと「夏」になった夏月はもう一度恋人となり、夏月はその日々を幸せに想う。ヒバナの記憶が戻り、ようやく互いの罪の意識がほどけて、わだかまり無く幸せだと感じられるそれまで。訥々と騙られるそれぞれの想い、それは相手にたいする「ごめんなさい」で、それをようやく伝えられて、ふたりはまた一緒にいようと相手に言えるようになった。「ずっといっしょにいられたら」は「ずっといっしょにいよう」という意思になる。
「ずっと夏やったらなって」
「いっしょに」
「いよう」
「いてくれ」
「だって 僕が夏だ ずっと 夏だよ」
行き先のようやく見えた彼らの話がようやく終わったご祝儀含め、三位にいれました。
関連作品
草の冠星の冠 1 (バーズコミックス ルチルコレクション) | |
幻冬舎 2002-06 売り上げランキング : おすすめ平均 癒し 優しい気持ちになる 四季と草花の優しい物語 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
草の冠 星の冠(2) (バーズコミックスルチルコレクション) | |
幻冬舎 2004-09-24 売り上げランキング : おすすめ平均 ねこやなぎ ふんわり〜 ちょっとした世界のズレ Amazonで詳しく見る by G-Tools |
草の冠星の冠 3 (バーズコミックス ルチルコレクション) | |
幻冬舎 2006-10-24 売り上げランキング : おすすめ平均 続きを!!続きを!! テクノサマタさんの作品大好きです☆ 凄く良くて、凄く残念 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
草の冠星の冠 4 (バーズコミックス ルチルコレクション) | |
幻冬舎 2009-06-24 売り上げランキング : おすすめ平均 2年と8ヶ月ぶり…! Amazonで詳しく見る by G-Tools |