【コミック4位】『それは僕の愛じゃない』深井結己(花音コミックス)【ウサギ】

それは僕の愛じゃない (花音コミックス)
それは僕の愛じゃない (花音コミックス)
芳文社 2009-04-30
売り上げランキング :

おすすめ平均 star
star良い作品ではあるが、
star「嘘」から始まる恋の話
starセリフが素敵

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弟の身代わりで交際を断りに行った編集者・灰塚一総を待っていたのは担当作家で憧れの相手だった。断わりきれず弟になりすまして付き合い出すが…。(表題作)
もう、タイトル勝ちだと思うのですよね、この作品。「それは僕の愛じゃない」諦めが滲んだ言葉、でも欲しいというジレンマ。その裏には離婚した母親に置いていかれた自分とかスポーツをやめなきいけなかった自分とかへの劣等感があって、「どうせ好きにはなってもらえない」っていう諦めの描き方がすごく上手い。「好きだ」と言われれば嬉しいのに、それは弟に対しての言葉で、言われる度に募っていく罪悪感とか切なさとか。読んでいても苦しさが伝わってくるような空気感、表情の描き方。最近のBLでは男同士ってことはもはや障害にはならなくて、この作品でもそれは共通しているのだけれど、やっぱり障害があった方が燃えるし萌えると思うのですよね、恋愛ものとしては。崖っぷちで踏みとどまって踏みとどまってそれでも落ちそうになる、そんな感覚がいい。あと個人的には、スポーツ選手の弟と編集者の兄「全然違う体の区別もつかないくせに」という台詞が妙に好きです。BLで言うからこそ妙に胸に迫るというか(苦笑)
同時収録の「ウソツキの秘密」は会社の上司と部下もの。こっちは最近のBLにしては珍しく(苦笑)男同士の恋に悩む系。攻めの課長のいかにも30代過ぎてます的な表情がいいです。部下の恋する乙女フィルターを通した上司の描写もいかにも恋してます、という感じで微笑ましい。受けの視線、攻めの視線、受けが攻めを見る視線、攻めが受けを見る視線と、視線の描き方が上手い作家さんなんだなー、と思います。

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starお父さんが素敵
starあんまり…
star人間ドラマが面白い

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